東大の電気系学科で使用されている教科書を調べました。(一部参考書含む)
まずは、電子情報工学科から。
専門科目は本によって扱われている内容が大きく異なるので、
内部生に遅れを取らないためには、同じ教科書で勉強するのが一番でしょう。
的外れな勉強をすることもなくなります。
関連専攻の院試出題科目と対応させてご紹介します。
ちなみに、関連専攻の院試出題科目は下記。
情報理工系研究科・電子情報学専攻の出題科目(3問選択)
1 電気電子回路
2 計算機アーキテクチャ、論理回路
3 アルゴリズムとデータ構造
4 情報通信、コンピュータネットワーク
5 信号処理、情報理論
工学系研究科・電気系工学専攻の情報系の出題科目(番号は問題番号)
3 情報理論
4 アルゴリズム・プログラミング
5 コンピュータアーキテクチャ・ディジタル回路
6 情報通信・信号処理
9 制御工学
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電気電子回路
目次
- 本書の内容と構成
- 直流回路概説/回路要素とオームの法則/回路の双対性/キルヒホッフの法則/回路の方程式/その他の回路の諸定理
- 交流回路インピーダンスの概念/回路素子/インピーダンスとアドミタンス/交流回路の計算法/共振/変圧器/電力回路/3相交流と多相交流/フェーザ/ひずみ波交流
- 一般の線形回路と過渡現象定常状態と過渡状態/微積分方程式による回路方程式の表現/簡単な直流回路の過渡現象/簡単な交流回路の過渡現象/ラプラス変換
- 伝送回路の基礎4端子網(2端子対回路)/4端子網の応用/影像パラメータ
- 分布定数回路の基礎集中定数回路と分布定数回路/分布定数回路の基本式/分布定数線路に特有な現象と性質
- さらに学ぶ人のために理想化された回路から現実的な回路へ/電子回路/大規模な回路,回路網,システム/実用的回路解析・設計法
計算機アーキテクチャ
下記2冊とも、東大の坂井先生の本です。
コロナ社
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目次
- はじめに
(ディジタル表現、可算器、減算器、ALU、フリップフロップ、レジスタ) - データの流れと制御の流れ
(主記憶装置、命令、シーケンサ) - 命令セットアーキテクチャ
(命令の表現形式、アセンブリ言語、命令セット、アドレシング、サブルーチン) - パイプライン処理
(命令パイプライン、オーバヘッド、ハザード、フォワーディング、遅延分岐、分岐予測、命令スケジューリング) - キャッシュと仮想記憶
(命令パイプラインとメモリ、キャッシュ、仮想記憶、ページフォールト、TLB、メモリアクセス機構) - 命令レベル並列処理とアウトオブオーダ処理
(並列処理パイプライン、VLIW、スーパスカラ、静的最適化、アウトオブデータ処理、レジスタリネーミング、スーパスカラプロセッサの構成) - 入出力と周辺装置
(周辺装置、割込み、DMA、例外処理)
目次:
- はじめに
ディジタルな表現、組合せ論理回路=計算の実現、順序回路=記憶を含む論理回路 - ディジタル回路の入力
ディジタル回路の設計とは、組合せ論理回路の設計、順序回路の設計、図式入力とHDL入力 - ハードウェア記述言語Verilog HDL
モジュール構成と宣言、値と型、素子とライブラリ、演算、回路記述部、Quartus IIにおける設計の流れ - シミュレーションによる動作検証
Verilog HDLによるテスト生成、Verilog HDLによるテストパターン生成と結果の表示、シミュレーション環境の整備 - データの流れと制御の流れ
主記憶装置、命令とは何か、シーケンサ - 命令セットアーキテクチャとアセンブラ
命令の表現形式とアセンブリ言語、命令セット、アドレシング、サブルーチンの実現、命令セットアーキテクチャの設計とアセンブラ - 基本プロセッサの設計
設計の流れ、構成要素の設計、基本プロセッサ - 基本プロセッサのシミュレーションによる検証
シミュレーションの手順、命令フェッチ部、データメモリ、実行部、書戻し部、レジスタファイル、基本プロセッサの全体シミュレーション - FPGAによる実装
FPGAの原理、設計の手順、FPGA上の実装、FPGAボード上のプログラム実行例、改良
論理回路
こちらも坂井先生の本です。アーキとセットでおすすめです。
目次
1.ディジタル計算入門
2.論理演算
3.組合せ回路の設計法
4.代表的な組合せ回路
5.フリップフロップ
6.基本的な順序回路
7.一般的な順序回路
8.論理回路の実現
9.メモリ
10.ディジタル回路からコンピュータへ
アルゴリズムとデータ構造・プログラミング
岩波書店
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目次
1 アルゴリズムと計算量
2 探索
3 整列
4 グラフのアルゴリズム
5 文字列のアルゴリズム
6 難しい問題
7 さまざまなアルゴリズム
付録 CとLispによるプログラム
情報通信・コンピュータネットワーク
数理工学社
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東大の江崎先生の本です。
目次
- 情報通信ネットワークの基本理念
(通信インスタンスの抽象化と定義、情報通信におけるデジィタル化の意味、通信方式、オープンシステムとプロトコル) - ネットワークアーキテクチャ
(クライアント・サーバとピア・ツー・ピア、エンドツーエンドアーキテクチャ型とゲートウェイ型アーキテクチャ、オーバレイモデルとピアモデル、ベストエフォート型サービスと保証型サービス、ハードステートとソフトステート、放送・電話・インターネットの比較、階層化と回帰的定義によるスケールフリーシステムの実現、処理負荷の分散手法) - ネットワーク層の基本機能
(ネットワーク層の基本機能、インターネットプロトコル:IP、IPアドレスに基づいた処理、インターネット管理制御プロトコル:ICMP、経路制御、その他の機能群) - トランスポート層
(トランスポート層の役割、TCP、TCPにおける拡張機能群、マルチメディア対応トランスポートプロトコル) - ディレクトリサービスとシグナリング
(ディレクトリサービスの概念、DNSシステム、ポリシー制御へのディレクトリサービスの応用、SIPシステムとIP電話サービス、シグナリング、シグナリングサービスの具体例) - データリンク・物理層
(物理/データリンク層の基礎技術、物理伝送媒体、伝送方式、同期方式、多重化方式、アクセス制御方式、データリンクの形態、誤り訂正方式、フレーム伝送制御方式) - コミュニケーションツール(電子メールシステム、その他のコミュニケーションツール、クロスメディア通信の可能性と必要性)
- Webシステム
(WWWからWebシステムへ、WWWの仕組み、URL、Webブラウザの構成、マークアップ言語、大規模Webサーバの構築、CDN(Contents Delivery Network)) - ピア・ツー・ピアシステム
(ピア・ツー・ピアシステムとクライアント・サーバシステム、ピア・ツー・ピアシステムの進化、DHT(Distributed Hash Table)技術、CDNシステムと第3世代ピア・ツー・ピアシステム、ピア・ツー・ピアシステムとオーバレイシステム) - モバイルシステム
(公衆リモートアクセス/Nomadic接続、(私的)閉域ネットワークサービス(Private Network Service)、モバイル通信) - セキュリティ
(セキュリティ対策の必要性と概要、セキュリティ要素技術) - ガバナンス
(情報の管理と利用に関わる権利と義務、技術標準化) - システムの設定と運用管理
(システム設定、ネットワーク管理システム、トラブルシューティング)
目次(全章に演習問題と解答付き)
- 確率
確率空間(標本空間、事象、確率、条件付き確率)
確率分布(確率変数、確率分布関数、裾野分野、期待値、分散、条件付き期待値、独立な確率変数のmaxとminの分布) - ポアソン過程
ポアソン過程(ポアソンの定理、微分方程式によるポアソン分布の導出、関数方程式によるポアソン分布の導出、合流、分流)
指数分布(指数分布のマルコフ性、アーラン分布) - リトルの公式
再生過程(点過程と計数過程、再生過程、再生定理、余命の平均、再生-報酬定理)
リトルの公式(リトルの公式とその図的な証明、H=λG、H=λGからリトルの公式を導く) - マルコフ連鎖
離散時間型マルコフ連鎖(遷移確率、マルコフ連鎖のグラフ、再帰性)
定常分布とその数値計算法(待ち行列計算のための数値計算ツール、定常分布の数値計算)
連続時間マルコフ過程 - 待ち行列
待ち行列システムの定義とケンドールの記法(待ち行列システムの表し方、ケンドールの記法)
PASTA(PASTA、PASTAの証明)
待ち行列の解析に現れる量(占有率、特性測度) - M/M/S/S
M/M/S/Sの解析(過渡状態を記述する方程式、定常状態の分布、打ち切られたポアソン分布のグラフ)
アーランB式(アーランB式のトラヒック特性、負荷曲線、利用率、サービス時間分布に対する不感性)
トラヒック理論への応用 - M/M/S
M/M/I(M/M/Iの平衡分布、M/M/Iの特性、平均値解析、スループットタイムの分布)
M/M/S(定常状態での解析、アーランC式、アーランC式の特性、アーランの遅延システムの解析、M/M/S,FCFSの待ち時間分布) - 出生死滅過程
出生死滅過程の一般的性質(純粋出生過程、純粋死滅過程、出生死滅過程)
出生死滅過程となる待ち行列(M/M//K、M/M//-/K、M/M/s/s/n) - ポラチェック-ヒンチンの公式
M/G/の平均値解析
ポラチェック-ヒンチンの公式の導出 - 待ち行列ネットワーク
待ち行列ネットワークの理論へ(Burkeの定理、M/M/の段直列接続、二つのM/M/の並列系)
M/M/の開ジャクソン網(ジャクソンの定理、ジャクソン網の平均的な振舞い、最適なサービス時間の割当て)
信号処理
近代科学社
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目次
- 確定信号に対する基礎解析
確定信号と不確定信号、周期信号の周波数スペクトル、複素フーリエ係数、フーリエ変換、フーリエ変換の主な性質、標本化定理、離散的フーリエ変換(DFT)、高速フーリエ変換、相関関数、各種の処理の相互関係の要約、各種の演算式のまとめ、パーシバルの等式、窓関数、ブラックマン-トゥキーの方法、周波数スペクトログラムの分析
演習問題 - 確率過程に対する基礎解析
確率密度関数と確率分布関数、不確定信号の自己相関関数とパワースペクトル、自己共分散関数と自己相関関数の関係、雑音と確定信号が共存する波形の自己相関関数
演習問題 - 線形システムと信号との関係
伝送システムの伝達関数とインパルスレスポンス、理想的な低域フィルタ、音声波の発生の例、z変換、z逆変換、z変換の基本的な性質、z変換を用いた伝送システムの実現、z変換による差分方程式の解法例、z変換とラプラス変換の関係
演習問題 - 比較的新しい解析手法
信号の生成モデルとその応用、最大エントロピー法(MEM)によるスペクトル推定、適応信号処理
演習問題演習問題解答
情報理論
情報理論の権威、東大の今井先生の本。情報系の人なら必携の一冊です。
情報理論の問題でこの本で解けない問題はありません。
解説も非常にわかりやすいです。
目次
- 序論
情報理論とは/情報理論の分野/本書の構成 - 情報理論の問題
問題の提起/問題の設定/問題の発展 - 情報源と通信路のモデル
情報源のモデル/マルコフ情報源/通信路のモデル/モデル化 - 情報源符号化とその限界
情報源符号化の基礎概念/平均符号長の限界/ハフマン符号/情報源符号化定理/基本的な情報源のエントロピー/基本的情報源符号化法/算術符号 - 情報量とひずみ
情報量の定義/エントロピーと情報量/相互情報量/ひずみが許される場合の情報源符号化 - 通信路符号化の限界
通信路容量/通信路符号化の基礎概念/通信路符号化定理/通信の限界/信頼性関数 - 通信路符号化法
単一誤りの検出と訂正/符号の誤り訂正能力/巡回符号/ガロア体/BCH符号/非2元誤り訂正符号/たたみ込み符号 - アナログ情報源とアナログ通信路
アナログ情報源と通信路に関する情報理論/標本化定理/アナログ情報源とそのエントロピー/アナログ情報源の速度・ひずみ関数/アナログ情報源に対する符号化/アナログ通信路/アナログ通信路に対する符号化
制御工学
丸善
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目次:状態空間におけるシステムの取扱い、サンプル値制御システムの基礎、適応制御とロバスト制御、モーションコントロール
未分類
オペレーティングシステム
岩波書店
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オペレーティングシステムは出題されるかわかりませんが、
念のため、授業で参考書として紹介されているものをご紹介。
目次
1 オペレーティングシステムとは
2 CPUスケジュリング
3 並行プロセス
4 コンカレントプログラミング
5 主記憶の管理
6 仮想記憶
7 ファイルと入出力
8 MVS
9 UNIX
システム数理工学
数理工学社
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数理計画法の教科書です。
目次:システムの数理解析、線形計画問題の基本特性と定式化、線形計画問題の解法、特殊線形計画問題、非線形計画問題、動的計画法、ゲーム理論入門
システム工学基礎
数理工学社
売り上げランキング: 571,705
マルコフ過程、待ち行列、信頼性理論およびスケジューリングの解説。
VLSI設計工学
数理工学社
売り上げランキング: 541,315
目次
VLSIと設計の流れ/システムレベル設計/Cベース言語設計/組込みプロセッサ用コンパイラ技術/論理関数処理技術/レジスタ転送レベル設計/高位合成/論理合成/レイアウト処理/タイミング解析と最適化/シミュレーション/アサーションベース検証/形式的論理設計検証/VLSIのテスト技術/低消費電力設計/VLSI設計の将来
※東工大を併願される方は、足りない分だけ東工大の教科書も追加入手されるとよいと思います。
東工大教科書リスト
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院試問題集:数学
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大学教科書:東大(電情)
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院試関連書:合格体験記集
志望理由書・研究計画書
院試後早めに読むべき本