修士の研究テーマ選びについて書きます。
(修士に限らない話も結構含んでます)
博士課程に進む予定の人は、好きに選べばいいと思いますが、
就職予定の修士は、現実問題として、以下の点を考慮しなければなりません。
・授業、レポート
・夏のインターン
・英語スコアUP、資格勉強
・業界調査、分析
・就職セミナー、企業説明会、OB/OG訪問
・自己分析、エントリーシート、面接対策
・筆記試験対策
・(公務員試験対策)
・バイト
…
そして、研究も。こなしきれますか?
文系就職(コンサル・金融・商社・広告代理店…)とか、IT系とか、いろいろ考えてますよね?
研究に力を入れすぎると就活とのバランスが取れません。
どうすればいいか?
一般的に、研究テーマ選びは2パターンあります。
1.先輩のテーマを引き継ぐ(以下、既存テーマ)
2.新規テーマを創出
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無難なのは既存テーマ
一般に、就職面接で研究の話のときは、
研究目的(用途、ユーザメリット)、
従来技術に対してどれくらい改善したか、オリジナリティは?
などが聞かれます。
先輩の研究を引き継げば、既に研究目的ははっきりしてます。
課題も明確になっている場合が多いので、課題分析の時間もそれほどかかりません。
また、従来技術の調査もかなり省けます。
調査不足で研究を進めてしまい、卒業前に「全く同じ先行例が見つかった。どうしよう」なんてリスクも少ないです。論文も書きやすいでしょう。
ただし、大きな成果は出にくいです。
研究室のメインテーマになるくらいですから、既にある程度大きな成果が出てしまっています。
小さな改善に終わる場合が結構多いです。
文系就職・IT系とかなら、自分の成果を大げさにアピールすれば面接官は騙せます。
あまり詳しくないし、興味もありません。
地頭の良さ、コミュニケーションスキルの方が重要です。
が、研究職だと、「で、キミはどの部分をやったの?」「差分は何?」って突っ込まれます。
新テーマの場合
やる気に溢れた学生の場合、こちらが多いでしょう。
でも、かなりきついです。難易度的にも、時間的にも。
まず、ネタ探しから。
新商品企画、または、新機能の企画です。
世の中のニーズを徹底的に調査します。潜在ニーズまで。
何千ものアイディアを出します。
ブレスト、ブレスト、ブレスト。
でもほとんどゴミだらけ。
その中から候補を絞っていきます。
でも、普通残るのは、自分でも首をかしげるようなネタばかりです。
で、またアイディア出し。
仮に、良いネタが見つかったとします。
次に、それがなぜ実現できていないかを調査します。
まだ誰もそのネタを思いついてないだけか、技術的に大きな課題があるのか、そもそも無理なのか。
論文調査をしまくって、さらには先行例を実装して追試実験をしてみて、課題分析、原因特定をします。
で、技術課題も明確になったとします。
ここからが本番、解決策を考えます。
しかし、普通はそう上手くいきません。
誰も手をつけてないテーマは、難しすぎてオイシクナイからやられてない可能性が高いです。
超難問の場合がほとんどで、修士レベルで解ける可能性は低いです。
指導熱心な教授か、実力派の准教授・助教が助けてくれれば何とかなるかもしれません。
でも先生たちもいろいろと忙しいです。
普通は助言のみです。
でも、そこで成果を出せたら素晴らしい。
長年解決されてない問題が解ければ、学会でも大きく評価されます。
賞も取れるでしょう。
また、まだ誰も思いついてないだけのテーマなら簡単に解けるかもしれません。
新分野を発掘した人も、学会で大きく評価されます。
まさにブルーオーシャンです。
その分野の第一人者になれるかも。
ベンチャースピリッツ溢れる皆さんなら、ぜひ新テーマ創出に挑戦して欲しいです。
たとえ研究成果が出なくても、小さくても、挑戦した過程は評価されます。
企業が求めている人材は、新テーマを作れる人です。
教授(上司)から与えられたテーマ(仕事)を言われるがままにやるのではなく、自分で価値のある仕事を生み出せる人、完遂できる人が欲しいんです。
ちなみに、新テーマ創出はR&D(研究開発)の仕事そのものです。
これをもっともっとキツくした感じです。
特に最初のテーマ選びが。
「誰が買うんだよ?」「いくら儲かんの?」「それ面白いか?」・・・
バカか?と言わんばかりに、そのテーマの価値を厳しく問われ続けます。
テーマが承認されて技術開発フェーズに移っても、今度は違う人からまたテーマの価値について問われたりもします。
技術開発よりこっちの方が大変です。
人が増えるほど、賛否両論出てきます。
大学や学会は技術偏重なんですよね。
どれだけ技術的に高度かが重要。
学生のテーマ選びは「カネ」の観点で、甘すぎます。
「2位じゃダメなんですか?」の視点は超重要です。
国と違って、民間企業ではいつか役に立つ「かもしれない」技術に予算はつきません。
でもまあ、技術の高度さも確かに重要です。
他社差別化になりますから。
あと、論文調査だけでなく、特許調査も必要です。千件以上。
大企業はスローライフ・・・なんて言われますがとんでもないです。
えーと、何が言いたかったかというと、
研究職に就きたいなら新テーマ創出、
でなければ既存テーマの方が無難かなぁ、という意見でした。
おわり
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