東工大の情報工学科で使用されている教科書をシラバス等で調べました。
東工大院が第一志望の方はこちらを中心に使うとよいと思います。
関連専攻（情報理工学研究科・計算工学専攻、理工学研究科・通信情報工学専攻）の院試出題科目と対応させてご紹介します。ご存知の通り、両専攻は合同で試験を行います。出題科目は下記。

出題科目（４問選択）
１． 基礎数学（微分積分学，線形代数学）
２． 応用数学（複素関数論，フーリエ解析[ラプラス変換を含む]，確率・統計，数値計算）
３． 情報数学（組合せ理論, グラフ理論, 計算論, 数理論理学, オートマトンと形式言語理論）
４． 電気・電子回路（電気回路，ディジタル電子回路）
５． 情報通信（情報理論，通信方式）
６． 計算機システム（論理回路，計算機論理設計）
７． プログラミング（データ構造とアルゴリズム，プログラミング言語）

教科書がないものは参考図書に挙げられているものをご紹介。
本の上に「※参考図書」と付しておきました。
できるだけ、担当の先生が書いた本を選びました。

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１． 基礎数学

微分積分学

線形代数学

２． 応用数学

複素関数論，フーリエ解析[ラプラス変換を含む]

複素解析、フーリエ・ラプラス変換の本です。
問と章末問題全てに解答がついており、１冊で両分野ともマスターできる良本です。
院試はこれ１冊で全問完答できてます。

確率・統計

目次
統計学の基礎、1次元のデータ、2次元のデータ、確率、確率変数、確率分布、多次元の確率分布、大数の法則と中心極限定理、標本分布、正規分布からの標本、推定、仮説検定、回帰分析、統計数値表、練習問題の解答

数値計算

※参考図書

３． 情報数学

組み合わせ理論

関数の単射／全射、数え上げ、その他情報工学の基礎

グラフ理論

東工大の授業担当の先生の本です。

目次 :
第１章　グラフ（グラフとその表現/ 木と森　ほか）
第２章　アルゴリズムの解析（関数の漸近的評価/ アルゴリズムの解析　ほか）
第３章　グラフのアルゴリズム（探索アルゴリズム/ 最短路アルゴリズム　ほか）
第４章　アルゴリズムの設計（アルゴリズムの設計技法/ 貪欲アルゴリズム　ほか）

計算論

λ式、チューリングマシンなど。ラムダ式は院試で出題歴があります。

目次
１　プログラムによる計算の表現
２　チューリング機械による計算の表現
３　帰納的関数による計算の表現
４　ラムダ計算による計算の表現
５　並列・平行・分散計算の表現

数理論理学

教科書は洋書で、おそらく役に立たないので参考図書を挙げておきます。

※参考図書

目次

1. 集合と関係（集合／関係）
2. 命題論理と述語論理（命題論理／一階述語論理／高階述語論理とその部分体系）
3. 様相論理と直観主義論理（命題様相論理／多重様相論理／時相論理／命題直感主義論理）
4. 計算可能性（チューリング機械／帰納的関数／不完全性定理／プレスバーガ算術／述語論理の決定不能性と決定可能な部分体系）
5. λ計算（λ項／簡約／型付きλ計算）

オートマトンと形式言語理論

良書です。オートマトンはこれ１冊で完璧です。

目次：数学的な準備／文法入門／正規言語／文脈自由言語／プッシュダウン・オートマトン／下向き構文解析／上向き構文解析

４． 電気・電子回路

電気回路

東工大の授業担当の先生の本です。説明がわかりやすいです。

目次：電気回路とは、電圧と電流、電源回路の等価表現、直流回路の簡略化、交流と位相、交流のフェーザ表現、インピーダンスとアドミタンス、共振回路とＱ、変成器、節点電位法、閉路解析とグラフ、２ポート回路の行列表現、送電とエネルギ効率、分布定数回路への拡張

ディジタル電子回路

東工大の授業担当の先生の本です。MOS、バイポーラ、フリップフロップまで。
とてもわかりやすく、演習問題も解答付きです。

５． 情報通信

情報理論

※参考図書

通信方式

東工大の授業担当の先生の本です。
変調方式(AM/FM/QAM/PCM/FDM/TDM/スペクトル拡散など)。
変調はこれ１冊でマスターできます。
フーリエ変換についても詳しく載っています。おすすめの１冊です。

東工大の授業担当の先生の本です。
プロトコル、待ち行列理論など。待ち行列の部分は院試で大変重宝したのですが、今は中古品しか売られていないようです。

６． 計算機システム

論理回路

東工大の授業担当の先生の本です。

目次：論理回路の背景と基礎、論理関数の表現と変形、特別な性質を持った論理関数、論理回路の設計方法、順序回路の構成、フリップフロップとその駆動回路の実現、状態の等価性による順序回路の簡単化、状態の両立性による順序回路の簡単化

計算機論理設計

下記２冊とも東工大の授業担当の先生の本です。説明がわかりやすいです。

目次：ディジタル論理回路、ディジタル構成部品、データの表現、レジスタ転送言語とマイクロ操作、計算機の基本構成と設計、基本計算機のプログラミング、マイクロプログラム制御、中央処理装置、パイプラン処理とベクトル処理、算術計算、入出力構成、メモリ構成、マルチプロセッサ

目次：集積回路の基礎、集積回路の基本素子、回路設計、論理設計、レイアウト設計、故障診断と検査

７． プログラミング

データ構造とアルゴリズム

（グラフ理論と同じ本なので省略）

プログラミング言語

C言語のロングセラーです。

プログラミング（参考図書）

実験やプログラミング演習で参考図書にあげられているものです。

未分類の教科／教科書

信号処理

東工大の授業担当の先生の本です。

目次：信号処理の概要、離散時間信号とその数学的表現、離散時間システムの解析、高速フーリエ変換、フィルタ、サンプリングレートの変更、相関関数とスペクトル推定、適応信号処理、２次元信号処理

関数解析学

東工大の先生の本です。

目次：実数列の極限とベクトル空間、距離空間、ノルム空間と内積空間、バナッハ空間とヒルベルト空間、射影定理とノルム空間上の微分、線形汎関数の表現と共役空間、凸最適化の理論とアルゴリズム

数理計画法

東工大の授業担当の先生の本です。

目次：
数理計画法とは
線形計画法（標準系と幾何学的解法、シンプレックス法、2段階シンプレックス法、双対定理）
ネットワーク計画法（導入と最短路問題、最大流問題、最小費用流問題、PERT）
組合せ最適化問題（概要と欲張り法・分枝限定法、動的計画法・近似解法）
非線形計画法（概要と制約なし問題、制約つき問題）

代数系と符号理論

東工大の先生の本です。

目次：線形代数と線形符号、線形符号の特徴、線形符号の最小距離と誤り訂正能力、シンドローム複合法と誤り訂正符号の限界、重み分布とMacWilliamsの恒等式、群、環、体と多項環、有限体の性質、リード・ソロモン符号、リード・ソロモン符号の復号法、リード・ソロモン符号の復号法２、巡回符号、BCH符号、BCH符号とRS符号の関係

線形回路理論

東工大の先生の本です。

目次：
線形回路の基礎：線形回路とは／回路素子／回路の法則，定理／節点解析と閉路解析
線形回路の時間応答：微分方程式による解法／ラプラス変換による解法
回路関数の性質：回路の受動性／テレゲンの定理／エネルギー関数と正実関数／リアクタンス関数の性質
2種素子回路の合成：LC2端子回路の合成／RC2端子回路およびLR2端子回路の合成
2端子対回路の表現と性質：2端子対回路パラメータ／2端子対回路の相互接続／2端子対回路パラメータの相互変換／2端子対回路の性質
フィルタの合成：フィルタの概要／伝達関数の設計／LCフィルタの構成

線形電子回路

東工大の先生の本です。

目次：電子回路に必要な基礎、トランジスタの動作と等価回路、小信号基本増幅回路、トランジスタの高周波等価回路と小信号増幅回路の周波数特性、負帰還増幅回路、集積基本電子回路、演算増幅回路、発振回路、変復調回路、電子計算機による電子回路解析の概要

コンパイラ構成

※参考図書

東工大の先生の本です。

目次：言語処理、字句規則と構文規則の記述、字句解析の方法、字句解析の理論、構文解析の方法、構文解析の理論、属性文法

データベース

※参考図書

目次：データベースシステムの基本概念、データモデリング、リレーショナルデータモデル、リレーショナルデータベース設計論、リレーショナルデータベース言語SQL、物理的データ格納方式、問合せ処理、同時実行制御、障害回復、オブジェクト指向データベースシステム

人工知能基礎

※参考図書

目次：人工知能概説、問題解決、探索、記号論理、導出原理、論理による問題解決、論理プログラミング、知識表現、不完全な知識

情報認識

目次：パターン認識の基礎、準備、識別関数の良さを測る規準、最尤推定法、最尤推定法の理論的性質、線形判別分析による手書き文字認識、最尤推定法によるモデル選択、混合ガウスモデルの最尤推定、ベイズ推定法、ベイズ推定法の数値計算法、ベイズ推定法におけるモデル選択、カーネル密度推定法、最近傍密度推定法

オペレーティングシステム

※参考図書の日本語版

有名なタネンバウム本の和訳書です。

計算機ネットワーク

※参考図書の日本語版

こちらも、有名なタネンバウム本の和訳書です。

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